あたしの証~番外編~

▽刺青

翌日から、俺は何かが吹っ切れた様に仕事に取り組んだ。


きょうさんは勘がいいから、きっと何かあったって気付いてるだろう。
でも、何も言わないでくれてる。


だから、俺から仕事終わりにこう言った。


「俺、もう前に進みましたから」


一瞬、驚いた顔をした後きょうさんは

「そうか」

って視線を伏せた。



哲にも俺は連絡をした。

哲もきょうさんと同じ様な感じだった。


「後悔しないんだな?」

って。



連絡取ろうと思えば、いつでも出来た。

でも、俺はもう限界だったんだ。



「復讐は連鎖するんだ、って思った。
だから、哲。もう終わり」


そう言う俺に、哲はもう何も言えなかったんだと思う。


誰もが綺麗なままでなんかいられないから。


誰にでも醜い気持ちなんてある。


それを出すか、隠すか。
それの違いだって俺は思う。
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