あたしの証~番外編~
数日はあかりから連絡があるかもしれないってそんな期待を持っていた。

それが一週間もしたら、思い出すのは三日に一度になった。


一か月もしたら、たまにふっと思い出すぐらい。


俺は本当にあかりを吹っ切れると思ったんだ。



だけど、俺に好きな人は出来なかった。


いい感じの子はいたんだ。
でも、それまでなんだ。


それから、気付けば半年も経っていた。


「今日の予約は…っと」


俺は今日の来客予定を確認してから、機材の準備をする。


「俺、今日はこっちにつきっきり予定だからよろしく」


きょうさんがパソコンを指差しながら、俺に言う。
それに頷く俺。


俺一人で暫くは平気そうだな。


予約状況を再度確認すると、どうするかの段取りを考えた。


それから、今日のお客さんが来店して俺は施術に取り組む。


これが俺の毎日になっていた。
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