あたしの証~番外編~

「わあ、可愛い」

「…だろ」

「これってどういう意味?」

「意味?」

「タトゥーって意味あるんでしょ?」

「…男に頼らない女って意味」

「へえ、すごいね」

「あかりにぴったりじゃねえか」

「そう…?」

「あかりは独りでよく頑張ってるよ」


そう、言って俺はあかりの頭を撫でた。
俺を見つめて目を細めて嬉しそうにするあかり。

…妹ってこんな感じなのかな。


ぼんやりと俺は思っていた。


週課になった彫ることは、毎週月曜にしている。

その日も彫っていると、インターホンが鳴った。




誰だろう。
そう、思いながら俺は受話器を取る。


「はい」

「警察のものですが」

「…は?」

「今、捜索願を出されてる女の子がいてそれに似た女の子をこちらで見たと言う情報がありまして…」

「捜索願?」

「はい、木下あかりと言うのですが、何か知りませんか?」

「…知らないですねえ。何かわかったら言いますよ」

「はい、お願いします。お時間取らせてすみませんでした」
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