あたしの証~番外編~
俺は静かに受話器を置いて、腕を組んだ。
……捜索願。
黙ったまま部屋に戻ると、あかりは俺を見て尋ねてきた。
聞いたままに伝えると、あかりは押し黙って何かを考えているようだった。
帰るのは嫌だと言うけど、捜索願出されてるって…。
これって心配してるってことだろ?
「…電話する」
そう言うあかりを止めることも出来ず、俺は後ろ姿を見送ることしか出来なかった。
俺はそわそわしながらあかりが出てくるのを待った。
……電話してるのに行くのは…無粋だよな。
うろうろ部屋を迂回してる自分にはっとする。
…俺、うろたえすぎだろ…。
一番動揺してるのはあかりなのに。
そう、思って自分に気合いを入れようと頬を思い切り叩いた。
その少し後にあかりの部屋から泣き声がする。
俺は急いであかりの元へ走った。