冷たい君が一途に好き*幼なじみに片想い*(仮)
「魅力は、萌加充分ある」
「…え? あたしにもあるの?」
桃江の思いがけない言葉に驚く。
「ある。まず一つは…毎日髪型違くて可愛いでしょ。
あとは…永井にどんなに冷たくされても、一途なところ?」
「おー! あたしにも魅力があったのか〜」
そっか…
あたしにも魅力とはあるんだ。
じゃあ…
「なんで風麻はあたしを恋愛対象として見てくれないのかなぁ…」
桃江に魅力があるって言われたら、『恋愛対象外』って言う理由がわからない…
「あ、なんかね? 颯くんも萌加が永井好きなこと知ってるでしょ?」
「うん…」
中学の時からあの2人は一緒にいたから、当然アピりまくってたあたしの気持ちを颯くんは知ってる。
「だからね…今日、颯くんがアドバイスくれるらしいよ!
昼休みに5組来て、だって」
「ぇえ!? は、颯くんからアドバイス!?」
しかも昼休みに5組って…風麻と颯くんのクラス。
あ…風麻と話せるかも?
「颯くん、萌加を応援してるって。
だから…行きなさいね?」
「行く!! 風麻と話せるかもだし!」
「…はぁ、ホント永井ラブだねー」
「当たり前じゃん!」
よし、昼休み…
風麻よ、待っててね!
「こりゃ完全に颯くんに会いに行くの忘れてるな…」
そんな桃江の声は、あたしには聞こえなかった。