年上のあなた

「俺だって、こんなの初めてなんだよ。」
「こんなのって?後学の為に教えてよ。」

林の後学はどうでも良かったが、この数ヶ月溜めた思いを、俺は吐き出したかった。

「やきもちとか独占欲とか、されてもウザイだけで、自分がするとか考えた事も無くて。それなのに、綾先輩が後輩の女の子の頭撫でるだけで、なんかイラっとして。会社で顔見ただけで、二人の時の事思い出してにやけたりとかも初めてで。コントロール効かなくてさ、色々。でも、向こうのが仕事も出来るし、先輩だし。なんか、そう言う姿見せられないって言うか、見せたくないって言うか。」

ぐだぐだと情けないと思ったが、堰を切ったように言葉が溢れる。

「俺が付き合ってきたのって、見た目も中身も、女性って言うより女の子って感じの子ばっかりだっただろ?優しい言葉と、頭ポンポンで落ちる様なさ。綾先輩相手だと、そんなん通用しないって分かってるし、今までと勝手が違い過ぎるって言うか。」
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