妖精と精霊と人間と
序章
 西暦二一〇二年五月九日午後三時半頃。
 発達した街並み、所狭しと建ち並ぶ高層建築物、街には物音が溢れ、騒音のような雑音のような音をかもしだし、上空を車が飛び交い、土の地面を人間や動物が歩き回り、道には人が溢れ、店にも人が溢れ、人が居ない場所は無いような時代。
 そんな二十二世紀初頭。とある中学校の無人の図書室に、一人の少女がいた。茶色で天然パーマの短い髪に小さめ(一四五センチメートル)の身長の彼女は、図書室の一番上の棚にある、『人間と精霊の共存』と言う本を机の上にひろげていた。本の中には、『バジル・ホルモン』と書いてあった。その一言だけが、ぶ厚い本の最初のページに書いてあった。
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