妖精と精霊と人間と
 その日の夕方。ウィングに北斗達が到着すると、ヒッポグリフが人の姿になりながら走ってきた。それに答えるかのように、北斗も美香を下ろすとユニコーンから人の姿になった。
 「お久しぶりですね、兄上。」
 北斗はそう言うと、ヒッポグリフだった男に深々と一礼した。
 「久しぶりだな、ノース。大きくなったじゃないか。」
 そう言ってその男は笑った。
 「兄さんこそ、お変わりなくてよかった。」
 「・・・立ち話もなんだ、あがるといい。皆もお疲れだろう、ゆっくりと休むが良い。」
 ヒッポグリフはそう言うと、兵士達に馬を小屋に入れておくように告げ、城の扉を開けた。ヒッポグリフは王の台座に向うと、そこに座った。北斗達は、その前にひざまずいた。ヒッポグリフは、北斗達にこうつげた。
 「ノースとその旅の仲間達よ。長きに渡る旅、ご苦労であった。我こそが、この城の王エネル・グリード・スターだ。ゆったりと、この城でくつろぐがいい。」
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