妖精と精霊と人間と

第十八話 スレチガイ。

 それから一週間が経った。本の中に来てから、今日でちょうど六〇日目だ。この世界の暦で言うと、北神暦一三〇〇年・火焔(かえん)の月・月神の刻・三〇日である。この国の暦は少し複雑で、まずこの世界の神・ザンゼが空の王(イアグ)と大地の王(レオン)を創った時を北神暦〇年としている。そして、月は全部で六つあり六〇日で区分されている。火焔・水沫・風霜(ふうそう)・雷光・土塊(つちくれ)・黄金の順でまわっている。それを、さらに三〇日ずつに分けて、最初の三〇日を月神の刻、後の三〇日を星神の刻という。最後に三〇を順に数えていけばいいのだ。ちなみに、北神暦四〇五年・黄金の月・星神の刻・二四日に精霊から授けられたのが、北斗である。
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