妖精と精霊と人間と
 「美咲・・・」
 「どーすんだい?リーダー!明を取り戻しに行くんだろ?」
 北斗が黙っていると、美咲は北斗の頬をペチンとはたいた
 「えっ・・・?」
 北斗が驚いて目を丸くしていると、美咲は大きく息を吸い込んでこう言った。
 「こんの、ドバカ!あんたは迷う事なんてないんだよ!美香は、私が明のことを好きだと思っている。それが自分の気持ちだとも知らずにね・・・残念な事に、私はそういうのを抱いたことがなくってね・・・・。さあ、どーすんだい?まあ、聞くまでもないだろうけどね。」
 美咲がそう言うと、北斗は微笑してこう言った。
 「明日、北の王城・シュベレスに向う!美咲、ありがとう。目、覚めたよ。」
 「それは良かった。」
 二人は笑い合うと、テントへと戻っていった。紫の月の周りで四つの星が輝く。星たちは、最後の戦いに向けて力強く光っていた。
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