妖精と精霊と人間と
第三章 最終決戦。
 次の日の朝は、快晴だった。北斗が外にでると、眩しい位に真っ白い太陽の光が降り注いだ。皆は、北の王城・シュベレスを目指した。王であり、北斗の父であるグリード・スターの治める城を。兄であるエネル・グリード・スターが居る事を願って。

 明は、西の城・ヴィヴァーチェに着くと、直ぐにデーモンキングの居る王の間に通された。王の間につくと、デーモンキングは明に武器と防具を与えた。明が不思議そうな警戒しているような顔をしていると、西の王は言った。
 〔ノース・グリード・スターに勝つための武器と防具だ。〕
 彼がそう言うと、明はそれらを手にとった。全てのモノを寄せ付けない破壊の剣、装備した者の思考を支配する考破の兜、装備した者の生気を吸い取る吸生の鎧、地獄より生まれし炎で出来た壊滅の靴、戦いの女神・パラスアテナが産み落としたとされる戦渦の手甲。それらは、血の様な異様な赤い光を放っていた。明がそれを全て装備すると、彼の鎧の隙間から赤い光が漏れた。血のように紅い赤が。彼はその場に倒れこんだ。そして、ムクッと起き上がると、彼の両頬にはデーモンキングの六つの朱色のダイア―――片方に横一列に三つずつ―――が描かれていた。
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