妖精と精霊と人間と

　ノースはその長い角で敵を突き倒し、明は剣を軽々と振りまし敵をなぎ倒し、デントはその拳で敵を吹き飛ばし、リデロはハンマーで敵を押し潰していた。
　「やるよ、ラーグウェイ。」
　美香はそう呟くと、杖を頭の上で回しその後自身もふわりと回った。美香の頭上と足元に、薄紫色に輝く魔法陣ができた。美香は、その中で炎の中にいる自分を思い浮かべた。そして、フェニックスが飲み込んだサラマンダーを譲り受けた。それは人の姿になると、スッと頷いて額あてとなった。
　「四大元素の精霊・火の精サラマンダーよ。我が問いかけに答えよ。そして、我が付き人となり、その炎で数多を焼き殺せ！」
　美香がそう叫ぶと、自分の目の前に両腕両足を縛った男が現れた。そして、美香の問い掛けに答えるように目を開くと、彼を縛るベルトはほどけた。
　「お前が、ラーグウェイの弟子か。なるほど・・・良い目をしているな。」
　サラマンダーがそう言うと、敵が美香に突っ込んで来た。サラマンダーは何かしら呟きながら、右手を敵の大群にかざした。すると、敵の大群は炎をあげて燃え上がった。敵がマミーばかりだったこともあって、それは良く燃えた。
　「我が新たなる主人に、気安く触れないでもらおうか。」
　サラマンダーはそう言うと、再び炎の球を敵に向って投げ込んだ。