妖精と精霊と人間と
 「どうすれば・・・どうすれば良いの?!美咲が・・・美咲が居ないと・・・あたしはっ―――」
 「・・・帰ろうぜ?美香、美咲。」
 明がそう言うと、美咲は首を横に振った。
 「同じ体に、二つの魂がいることは・・・あってはならない事なんだ・・・本来なら、私――――」
 「だったら!どちらかが、眠っていれば良い。そうだろう?美咲。」
 「え・・・」
 北斗の言葉を聞いて、鏡の前の少女は間抜けな声を上げた。そして、鏡を見た。そこには、しゃがみこんだ自分自身が映っていた。
 「行くぜ?美香。」
 「行くって・・・どこへ?」
 明が差し出した手を取って立ち上がりながら、美香はそうたずねた。
 「僕らの・・・いいや、君たち二人の世界に、帰るんだ。もちろん、ぼくも一緒だよ。」
 北斗はそう言うと、さっさと部屋から出て行った。美香と明も、その後を追う。
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