妖精と精霊と人間と
「父上。兄上。お元気で。」
ノースは、グリードとエネルにそう言った。エネルの腕の中には森の水の精・ニンフのアルセイドから授かった、娘のダイアナの姿があった。
「ダイアナ。姉・・・兄さんを頼んだよ。」
北斗がそう言うと、エネルの娘はにっこりと微笑んだ。幼い頃のエネルの様に。
城の外に出ると、ブラウンが居た。彼女は、三人を武器倉庫へと連れて行った。そこには、七つの箱があった。皆は、一番左端の箱を開けた。中には、バンクスの戦利品が入っていた。それを見た途端、涙がボロボロと零れ落ちていくのが解った。そんな状態で次の箱を開けた。そこには、ラーグウェイの戦利品が入っていた。再び大粒の涙がこぼれる。三つ目の箱にはデントの、四つ目の箱にはリデロの、それが入っていた。そして、北斗は五つ目の箱に自身の戦利品を入れた。最後に額当てを入れると、少し寂しさを感じた。六つ目の箱には、明の戦利品が入った。最後の箱には、美香と美咲の戦利品が入った。そして、そこに置いてある学校の制服に着替えた。着ていた装備品も、各自の箱に放り込んだ。これで、もう思い残す事は何も無くなった。
皆は武器倉庫を出ると、最後に皆で行った丘の上へと向かった。ブラウンは、地面に何やら魔方陣を描いていった。数十分後、皆がその上に乗ると、ブラウンは何やら呟いた。