妖精と精霊と人間と
 明と北斗は顔を見合わせて頷くと、その男のそばに行った。美香と風流は、ただその後姿を見詰めていた。
 「ねぇ、エルフのお兄さん。ちょっと良いかな?」
 「俺等と一緒に飲まないか?」
 明と北斗がそう言うと、男は口を開いてこう言った。
 「貴方がたは一体?」
 「俺は聖堂時明。人間の戦士だ。」
 明がそう言うと、エルフはガタリと椅子から立ち上がった。
 「人間などと行動を共にする気は無い!我等をこの森の奥地へ追いやった者達に、気安く声をかけられる覚えなど無い!」
 「では、僕がお願いしても良いですか?僕は一角獣のノース・スター。君と同じ側の者の願いなら、断る理由は無いよね?」
 そう言って、北斗はにっこりと微笑んだ。
 エルフはしぶしぶ北斗と明について、美香達の元に向かった。そして、五人で宿の部屋に向かった。


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