妖精と精霊と人間と

第四話 旅の仲間。

 酒場に入った四人は、丸いテーブルに椅子が四つ備え付けてある席に座った。宿の部屋を出る時に、北斗は人の姿に戻っていた。白と朱色が貴重の美しい服だ。でも髪の真ん中の黒い部分が、彼が一角獣である事を象徴させていた。その姿に、周りの者達は彼を振り返った。
 「でー・・・どうやって仲間増やすの?」
 美香が風流にそう聞くと、彼女は真剣な顔でこう言った。
 「どうしましょうね?仲間を増やすといっても、そう簡単ではないですからね。」
 風流がそう言っていると、明と北斗はほぼ同時に一人の男性が目に入った。この世で一番固い金属・オリハルコンからエルフが作ったエルヴァンアーマー、蜘蛛の精霊・アラクネの糸から作られたエルヴァンマント、長い細身の剣のレイピア、青と緑の中間色の瞳に高い身長、金色の長い髪にとがった耳、エルフ族である。マントの影に一瞬見えたが、エルフの手で作られた神秘のエルヴァンクロスボウと、スケルトンを一撃で倒せるといわれるミスリルの矢が見えた。机の上には黄土色に光る精霊、四大元素の精霊の一人、土の精霊・ノームが居た。
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