妖精と精霊と人間と
 「やっぱり、人の姿は疲れるな・・・・・明。大丈夫?」
 北斗が心配そうに明の顔を覗きこむと、明はベッドから起きあがりながら言った。
 「嗚呼、問題無いぜ?風流・・・いや、ブラウンがどうにかしたみてぇだからな。」
 そう言って、先程までおびただしい出血をしていた上半身を見る。何とも無い。とは言っても、少しは傷跡が残っている。青紫色に変色しているのがすぐにわかる。
 「本当に、大丈夫?・・・・・・少し、寝るか?」
 北斗はそう言って微笑した。どうやら先ほどの出血で貧血になったようだ。それが、北斗には全てお見通しの様であった。
 「ああ。そうさせてもらうぜ。」
 そう言うと、明はベッドの上に横になった。三十秒もしないうちに、彼は眠りについた。
 「おやすみ、明。」
 北斗はそう言うと、入り口の前に歩いて行きそこに座って眠った。
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