妖精と精霊と人間と
　花畑につくと、美香は花の上にバフッと倒れこんだ。
　「イッタアイ！何するの？！」
　お腹の辺りで声がした。有名な漫画じゃないのだから、服に何か付いているわけでもなく、花の上を見ると、うっすらとしか見えないがピクシーが座っていた。
　「ごっごめんなさい。」
　美香が謝ると、ピクシーは空中に舞いあがった。と言っても、美香には完全には見えていない。
　「もう！あたた・・・足くじいちゃったじゃない！」
　「ごめんね・・・」
　美香が沈んでいると、ラーグウェイがピクシーの傍に行ってこう言った。
　「見せてみろ。」ピクシーはラーグウェイにその足を見せた。くじいた・・・と言うか、既に折れている。「ブラウン、頼む。」
　「はい。」ブラウンは笑顔を見せると、ピクシーにその手をかざした。「森の聖なる樹木よ。我にこの者の傷を癒す力を！ヒール！」
　ピクシーの足は、すっと元に戻った。
　「もうっ！気をつけてよね！？」
　ピクシーはそう言うと、花畑の中心へと飛んで行った。そこでは、ピクシー達が輪になって踊っていた。しかし、それは人間の明と美香には見ることは出来なかった。だが、妖精が踊っていて跡が出来た場所―――フェアリー・リング（妖精の輪）―――に片足を踏み入れれば見られるという。しかし、そこに両足踏み入れてしまうと、妖精の世界に引きずり込まれてしまうという。
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表紙・目次

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