妖精と精霊と人間と
 「風流・・・さん?」
 図書室に入ってきた少年は、自分が風流と呼んだ少女を見つめた。少年がそう呟くと、モノが倒れる凄い音がした。
 「明。何度言えば解るんだよ・・・いい加減に諦めてくれないかな?」
 少年はそう言うと、明を紐で縛り上げた。北斗はこういう―――飛び道具とでも言うべきだろうか?―――を扱うのも上手いのである。
 「あっ!北斗、捕まえてくれたんだ?サンキュ~。今日の帰りにジュースおごるね。はあ・・・・明?こんの、オバカー!!」
 先刻まで明を追いかけていた美香は、そう言って明を拳で殴り飛ばした。
 「いってー・・・何すんだ!」
 「何すんだ!じゃ、ないでしょ!?まーた、北斗に迷惑かけてぇ!それに、サトコちゃん泣かしてぇ!」
そう言って美香と明が廊下に出て言い争っている間、無人の図書室に居た少女と北斗は、二人でなにやら話をしていた。
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