妖精と精霊と人間と

第八話 モリアの鉱山

 八日間歩いて、花畑を過ぎ、森を抜けると、鉱山の入り口についた。その入り口には、錬金術書に書いてありそうな絵が書いてあった。そして、こう書いてあった。
『友よ、読めるなら唱えよ。読めぬなら貴様等に永遠の死と安息を。~金星・火星・太陽・月・土星・木星・水星~』
 「『友よ、読めるなら唱えよ。読めぬなら貴様等に永遠の死と安息を。』・・・か。」
 妖精の言葉で書かれたその部分を読み上げると、ラーグウェイは溜め息をついた。
 「美香、読めるか?」
 「もっちろん♪こんなの、お茶の子さいさいよ?」そう言うと、美香は入り口の前まで行った。「これ、錬金術書に乗っているやつだね。昔、金属の記号は惑星の形をかたどっていたんだって・・・えーっと、最初の金星は銅、次ぎは火星で鉄、太陽は金、月は銀、これ(土星)は鉛、木星はスズ、水星は水銀。これで、まちがいないよね?」
 美香がそう言うと、全ての文字と絵が水色の淡い光を放った。そして、扉がギ―ッと音をたてて開くと、中からドワーフが現われた。
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