あふれる涙のドロップス
病室の時計の音が、やけに大きく部屋に響く。
誰も喋らなかったし、喋ろうともしなかった。
一瞬、アタシがこんなところにいていいのだろうかという不安を覚えたけれど、いいのだと無理矢理にでも考えた。
アタシがいなければ、葉山くんはこんな風にはならなかった。
七瀬さんや立川が悲しむことはなかった。
そしてアタシが、罪悪感を感じることもなかった。
アタシがいなければ______。
不意に、自分の心の中で言った言葉が、頭の中で響く。
そうだ、アタシがいなければよかったんだ。アタシさえいなければ_____。
ブルブルと頭を振って、ネガティブな考えは追い払おうとする。
だけど、不思議とその声は、頭の内側に張り付いて、なかなか出ていこうとしない。