偽りと君



「水琴」



耳元であたしの名前を囁く。

あたしがそれに弱いと分かっているのかいないのか…




「ねえ、水琴…帰っちゃうの?」



瞳をうるうるさせ、上目遣いであたしの肩に顎を置いてあたしを見る





「や、止めて」



「ねえ」



空気に流される予兆な気がする…
本気でまずいなこれは…。



「あれ?みこ?」




救世主の声がした。





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