君と歩く未知
 …そんな毎日が半年続いて、春がやって来た。
アタシはそんなにレベルの高くない公立高校の普通科に入学し、中学校のとき以上に毎日を淡々と過ごすようになった。
学校で勉強し、部活の美術部に出て、家に帰って、寝る。
そんなサイクルを繰り返し、繰り返し生きているうちに、あの忌まわしい事件の記憶が少しでも薄れてくれることを願っていた。
だけど、事件の記憶は薄れるどころか、忘れようとすればするほど記憶は濃くなった。
 
 …でもそんな毎日の中にふと君が現れた。
たくさんの幸せを連れてアタシの前にやってきてくれたんだ。
アタシは、君と過ごした毎日を決して忘れない。
 
  
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