君と歩く未知
 「あんたが…竜平の彼女…?」
女の子は不気味に笑った。
「竜平の彼女じゃないって!何聞いてんの?ついさっき竜平とは別れた。今は和哉の彼女」
アタシは事態が把握できなかった。
…この子が、カズくんの彼女?
カズくんはあの絵に、『まだあなたのことを愛してる』っていう意味の詩を残してくれたじゃない…
美和ちゃんは女の子の襟首を離して言った。
「なんだよ、それ…説明しろよ」
女の子はタバコを吸いながら気だるそうに話し始めた。
「…アタシと竜平は付き合ってたんだよ。でも、さっきアタシと一緒に和哉と腕組んで歩いてるのを竜平に見つかっちゃってさ…ただそれだけだよ、それだけなのにさ、竜平がキレちゃって…大変だったぁ…」
美和ちゃんはその話を聞いて一つ溜め息をついた。
アタシは絶望してその女の子を見つめていた。
「そうね…でもアタシは和哉自身のことなんてどうでもいいの。竜平と別れれれば良かったんだから…竜平ってつまんないんだよ、部活、部活ってアタシのこと相手にしてくんない。ヤッてもくれないし…」
女の子はクスッと笑った。
「結局あんたは和哉を利用したんだ」
美和ちゃんは冷淡に女の子に言い放った。
アタシの目から涙が零れた。
「そのうち、和哉とも別れるよ。ってゆーか、今日の一件で和哉とはお終いだと思うけど」
 アタシの中で何かが動き出した。
アタシは立ち上がって女の子の前にまで歩いた。
この子…絶対許せない…っ!
カズくんを見下して…絶対に許さない…っ!
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