君と歩く未知
 そのとき、海が見えた。
群青の海。
帰ったら、美術室のあの小さな部屋で、群青の色を使った綺麗な絵を描こう。
見る人全ての心を暖かくするような、幸せな絵。

 「ねぇ、カズくん、海が見えたよ!」

 アタシはカズくんの手を揺らした。
カズくんは目を開けて、海を見てはしゃいでいるアタシに向かって微笑んだ。
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