君と歩く未知
 「うわーっ!」
さっきまでのドキドキ感をすっかり忘れ、アタシは、はしゃいで部屋に入って行った。
カズくんはそんなアタシを見て笑いながらアタシの後を付いてきた。
「きゃー!大きなベッド!」
そう言ってアタシは大きなベッドに飛び乗った。
「すっごーい!すっごくフワフワ!アタシもうこの部屋に住みたい!」
カズくんはアタシが飛び乗ったベッドに腰掛けた。
「良かったな。弥生、すっげー嬉しそう」
アタシは天井を見上げながら言う。
「うん、超嬉しい!」
そしてベッドから飛び起きて大きな出窓から外を見た。
地面が遠い…ここって何階だっけ?
もしかしたらここは天国かも知れない。
アタシとカズくんだけの…
 アタシの思考回路は突然遮断された。
「…カズくん?どうしたの?」
カズくんが窓辺にいるアタシを後ろから抱き締めたのだった。
いつもとは違う、強く抱きしめるカズくん…
アタシの鼓動がだんだん早くなる。
わかってはいたよ。
こうなることは、わかってはいたの。
でも、いざとなると…怖い。
体が小刻みに震える。
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