君と歩く未知
 「…ねぇ、どうしたの?カズくん?」
カズくんは答えない。
アタシはなんだか心細くなってきた。
大丈夫なのかな…
アタシも、こうなることをきっと心のどこかでは望んでいたはずなのに…
カズくん、何か言って。
アタシ、苦しくてたまんないよ。
「ねぇ、カズくん!」
アタシが少し強く言うとカズくんは自分の口をアタシの耳元に近付けて言った。
「…わかってるクセに」
…すると突然カズくんの手がアタシの足を撫でた。
スカートをめくるようにして、アタシの太ももの辺りを撫でる…
体がどんどん熱くなってくるのが自分でわかった。
「…やだっ…」
アタシが声を震わせて言うと、カズくんは撫でるのをやめた。
そして、無言のまま、アタシをベッドまで手を引いていく。
アタシは恐ろしさでいっぱいになった。
 ベッドにアタシの体を押し倒すと、カズくんは真剣な目で言った。
「弥生…大丈夫だから…」
アタシはただ頷くことしかできない。
もうどうしたら良いのかわからない。

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