嘘つきなポーカー 1【完】


「あんた、なんでいつもそんな黙ってんの?」


クラスの派手な女子のグループのリーダー的存在である遠藤奈津子は、由佳に向かって挑発的な態度でそう言う。

ぱっちりとした瞳、小さな鼻、ぷるんとした唇、さらさらの髪。

由佳の目の前で眉間にしわを寄せて立っている彼女は由佳よりもずっとか美人で、由佳には一体何が不満で自分をいじめているのかがよく分からなかった。


「……。」


由佳が黙っていると、奈津子はイライラが絶頂に達したようで、バスケットボールを思い切り由佳の顔に向かって投げた。


「そうやって、いつも私たちを見下してんだろ?自分は何でも分かりきってます、みたいな顔してんじゃねーよ!」


由佳は黙って目の前の奈津子の目を見ながら、バスケットボールが当たってひりひりと痛む右頬を手でそっと撫でた。


「ボール、取って来いよ!」


奈津子はそう吐き捨てて、由佳の前から去って行く。


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