嘘つきなポーカー 1【完】
小野寺薫、あの子のこと下の名前で呼んでる――…。
そう思うと、由佳はとてつもない寂しさと悔しさに襲われた。
そして凛と呼ばれた女の子は、薫と一緒に教室から去って行く。
由佳の特等席だったはずの薫の隣を、今は別の女の子が歩いている。
終わったんだ、何もかも――。
由佳はそう思った。
2人を見る限り、とても親密な関係であることは明らかだった。
もしかしたら由佳が薫と距離を置いていた隙に、凛と仲良くなって、意気投合したのかもしれない――…。
―― 諦めよう。
由佳はそう思った。
―― きっと時間が経てば、小野寺薫のことなんて忘れられる。
そう思っていた。
それなのにどういうわけか、由佳の足は2人を追っていた――…。