優しくないっ、優しさを感じない!


そうなのだ。みんな同じ格好でグラウンドを出たり入ったりしていたから分からなかったけど、実は多いマネージャーさん達。一学年三人くらいずつはいそうな雰囲気である。


「ヒロちゃんもマネージャーやればよかったのに」

「え?あたし?」

「そう。そうしたらずっと中村君の傍にいられたでしょ?…なんて、そんな理由でマネージャーなんて出来ないか」


そう言ってちょっと困ったような顔で笑うレナちゃんを見ながら、あたしはなるほど…なんて感心した。


「そっか。その発想はなかった…」

「え?」

「あ、いや、そりゃね、もちろん無理だけどね?あたしにはちょっと向いてない感あるし、そんな気持ちじゃやってけなさそうってか…ね?ほらアレ」


そう言って目をやる先のマネージャーさん達は常に忙しそうだった。マネージャーの中での先輩後輩も厳しそうで、時々先生からも怒られたりしている。聞こえてくる礼儀正しい「はい!」という返事は選手だけじゃなくて、女子であるマネージャーのものも含まれていた。


「…大変そうだね」

「…うん」


でもコースケとこんな青春を送ってみるのもありだなぁ…なんて、少しだけ憧れてみたりしたのは心の中にしまって置こうと思う。


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