優しくないっ、優しさを感じない!


それに元気なあたしが好きだって言ってくれてたし、あたしなんて元気が無きゃ何の意味もないし、それにこのままじゃどうしたのか聞かれて、どんどん悪い方向に…って、聞かれたら答えればいいだけの話だ、実は…って話し出して、聞いてみて、それできっとレナちゃんから返事を貰って、答えが分かって解決して…

…でも、その言葉をあたしは…信じられるのかな。やっぱりまだ…信じ、られない…気がする。だってレナちゃんは、本当の事をあたしに言ってくれない…レナちゃんは……進藤になら、言うのかな。本当の答えを…もしかしたら、コースケにだって…


「…だ、ダメだやめやめ」


あたしは、どんどんと堕ちていこうとするかのように暗い底へと沈んでいく思考を、ぶんぶんと首を振って引き止めた。


ダメだ、まだダメだ。あたしにはやる事が一杯あるんだから、まだドン底まで落ちる訳にはいかない。暗い事ばっかり考えちゃダメだ、これじゃあこの間までと何も変わらないじゃんよ。前を見て、ここから進まないと何も変わらない…そうだ、本来あたしはこういうスタイルだったはず!

大丈夫!やれる!悩んだって分かんないんだもん、電話でもメールでもなくて本人にちゃんと直接聞こうって決めたじゃん、だからずっと今日まで悩んでたんでしょ?弱気になっちゃダメ!きっとそれは今日聞くべき!


そして、よし!と気持ちを固めたあたし。…それなのに、悠長にとりあえず今日の昼休みにでも!なんて、その時を先に伸ばしたのがいけなかった。決めたその時に聞いてしまうべきだった。


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