優しくないっ、優しさを感じない!
急に聞こえてきた声に、思わずビクッと身体が反応した。それは潜り込んでるあたしからは見えない、でもすぐ傍から聞こえてきた声だった。
「もう起きたんだろ?おまえはいつまでここに居る気だよ」
そして極めつけに「迷惑だから早く出てきなよ」と、あたしに告げたその声は、完全にアイツのものだとあたしは分析する間も無く理解した。
「……なんで進藤が居る訳」
「いいから出て来なって」
「変じゃん、可笑しい。頼んで無い」
「だろうね。でも頼まれたんだよ」
「……」
頼まれた。
それってつまり、あたしがここに居るって分かってる人に頼まれたって事。
あたしがこんな状況なのが分かってて、でも自分では来れない人。そして進藤にこんな事を頼める人。
「…レナちゃんの頼みなら何でもやりますって事ですか」
「……は?」
…顔を出してないから今、進藤がどんな顔をしてるかなんて分からない。だけどあたしの言葉に驚いたんだろうって事くらいは、聞こえてきた声から察する事が出来た。
でもその言葉に驚いたのは進藤だけじゃない。あたしだって驚いたんだ。あたしだってこんなの……だけど、抗えない。もう一つのあたしの想いが、まだまだ続く言葉に乗って押し寄せてくる。