優しくないっ、優しさを感じない!


「相手の事考えすぎ。てか応援って、本当にそれでいいの?それで満足なの?それが一番の願いなの?」

『…そりゃあ、一番かって言われたら、違うけど… でも好きな人には幸せでいて欲しいってゆーか、霧野さんは結構大人しいタイプだから余計に心配になるってゆーか…』

「だからこっちから行かなきゃ、でしょ。思ってる事心の奥に閉まえちゃうんだもん、レナちゃんは。あたし達とは違ってさ。だからレナちゃんが自分を出せるようにこっちから行かないと。レナちゃんの言葉聞かないと。 進藤の事だって実際幼馴染みだった訳だしさ、レナちゃんの気持ち、まだ何も分かってないんだよ?」

『……』

「それが分かる前から応援だなんていうのはさ…それは逃げ腰になってるだけだよ。本当は応援したいはずないじゃん、そんなにレナちゃんの事見てきて、レナちゃんの事好きになったんだからさ、一番の望みがあるはずじゃん。レナちゃんと向き合いたいならまず自分と向き合わなきゃじゃんよ」


ーーあぁ、そうだなって、あたしは言いながら自分に思う。


自分に向き合わないと。レナちゃんと向き合いたいなら、まず自分と向き合わないと。コースケの事が好きだけどその願いは叶わない。だったらあたしに出来る事は?

コースケを思い続けていたい?大いに結構!でもそれってコースケのためにならないよね?だけど想いを捨てられない?捨てる事なんてないよ、それだって大切なあたしだもん。好きだから、だからどうするか。どうするべきか。コースケに今日教えてもらった気がする。


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