優しくないっ、優しさを感じない！

コースケは、いつもあたしの心を照らしてくれる。いつもあたしの理想をそのまま現実にしてくれる。


「…バカだなぁ、コースケは」


そんなあたしの呟きに、コースケから驚いたような反応があった後、バカとはなんだと抗議する声があがった。真面目に話してるのに、なんて。

もちろん、あたしだって至って真面目だ。真面目に…本気で、コースケに思い直させられた。


あたしは、吹っ切れた。


「…まず。コースケの気持ちはレナちゃんにバレてないよ」

『へ？あ、え？そうなのか？』

「それで応援する以前に、レナちゃんは進藤の事そんな風には思ってない」

『えぇ？いや、でもだって、霧野さんの態度が…』

「だってあの二人、幼馴染みだもん。しかもなんで秘密にしてたかっていうと、レナちゃんが進藤と付き合ってたと思われたくなかったから…って事らしいよ。あとはレナちゃんに聞けって言われちゃって詳しくは知らないんだけど」

『…でも本当は、って事もあるだろ。進藤には言えないけど実は…って』

「うーん、どうなんだろ。そんな感じには見えなかったけど、まぁ聞いてみないと分かんないよね。てか、実際どっちでも良いよね、レナちゃんはレナちゃんなんだし」

『…そうだけど、でもさ、』

「コースケはさ、優しいよ。でも優しすぎるんだよ。優しすぎる。そう、絶対そう」

『……』