これが、あたしの彼氏です。【完】
「……心ちゃん?」
「あ、いえ!何でも」
「そう?それにしても秀斗の奴、物凄く由希ちゃんに興味津津だよね」
「あ。そ、そうですよね。お似合いだなあーなんてちょっと思ってみたり…」
「ははは!俺と同じだなあ。秀斗は脈アリだと思うけど、由希ちゃんはどうなんだろう」
あ、やっぱり速水先輩は由希の事が気になっているんだ。上手くいくと思うんだけどなあと勝手に心の中で思いつつ、あたしは前を歩く二人を微笑ましく見つめた。
「ゆ、由希も少しは意識してると思いますよ、多分」
「そうなんだ!だったらあの二人が付き合うのも時間の問題かな」
「そうですね」
そんな事を話しながら、久瀬先輩との会話を楽しんでいると――――、
「…ああ、もう。シンに今日遊ぼうって頼もうと思ってたのにぃ」
「まぁシン今機嫌悪いから、仕方ないよ」
「でも遊んでくれたことないよね」
不意に目の前の曲がり角から、そんな聞き覚えのある声が、うっすらと聞こえてきた。