これが、あたしの彼氏です。【完】
「は、離して……っ」
「はあ?何生意気な事言ってんの?良いから黙って付いて来いよ」
「………っ」
その後、無理やり手を引っ張られて連れて来られた場所は、あまり人が通らない4階の女子トイレだった。
「……此処なら、あんまり人も来ないよね」
「………っ」
凄く怖い。今度は一体何をされるんだろうか。
「東雲さん、最近シンと一緒に居ないらしいじゃん。まさかあたし達の言った事分かってくれたの?」
「……え、あ、それは……」
「何?違うの?……ふ、確か今日の体育で痛めたのはこっちの足だったよねぇ?」
「……痛っ」
いきなりガンっと今日の体育で痛めた足首を蹴られ、あたしは呆気なくもその場にヘタリと倒れ込んでしまった。
「そうそう、東雲さん、この前一つ上の久瀬先輩と一緒に帰ってなかった?」
「……っ」
やっぱり聞かれると思っていた。あんなところで鉢合わせて、このギャル女達が知らない顔をするわけがないと。
「……東雲さんさ、本当はその久瀬先輩が好きなんだってね?」
「……!」
あたしがつい驚いた顔をすると、目の前のギャル女はニヤァと口角を持ち上げた。
「はは。そんな顔するって事は本当なんだ?」
「………っ」
「………マジで何それ。ほんっと有り得ないんだけど。好きでもないのにシンと付き合ってるわけ!?調子乗るのもいい加減にしてよ!!」
「―――い‶っ」
足首をグッと力強く踏まれて、痛めた足の痛みもさらに倍増する。
「マジでムカつく!!こっちは本気でシンの事が好きなのに、そんなシンと付き合ってるアンタは、違う奴想って付き合ってるなんて!絶対許せない……っ!」
ギャル女の言い分は、分かりたくないけど分かる。そりゃあたしも同じ立場だったら、ムカついていただろう。
「だからさ…、今日あんたを二度とシンの前に出れないような体にしてあげようと思って」
「………!」
――――――けど、こういうのはちょっとやり過ぎなんじゃないだろうか。