【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
私はどこへ伺っても甘いものを食べ、太るんじゃないかとビクビクしている。
それに、お茶だって本当は美味しく入れていらっしゃるんじゃないかと思う。
でも、そうやって私を嬉しくさせてくれる奥様に感謝している。
「結衣さんがイヤじゃなかったら奥様はやめて ちーちゃんにして。」
これは、困った。
本当に困った。
千恵子さんだからちーちゃん。
その意味はわかる。
だけど、由香里さんよりもさらに年上の方だ。
私が結衣さんと呼ばれ目上の方をちーちゃんなどと呼べるわけがない。
返事に困っていると
「私には妹がいてね。お姉ちゃんじゃなくてちーちゃんって呼ばれてたの。だけどほら、極道なんかに嫁にきたからもう、妹にも会うこともなくてね。結衣ちゃん見てるとあの頃の妹を思い出すのよ。今はもうおばさんなんだけどね。」
話す奥様の顔が何だか淋しそうで
「じゃあ私も結衣と呼んで下さい。」
「それは出来ないわ。藤堂の若の姐さんを呼び捨てなんて。」
「年下の相当な若輩ものですよ。」笑いながら言うと
奥様もクスッと笑いながら
「それでもなのよ。」と仰る。