【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
突然、ギュッと隼に抱きついた私に
「大丈夫だ。」
私の思い出した恐怖心を理解してくれた隼が背中を撫でながら
「どんな事があっても、俺は必ず結衣を守る。結衣がどこかに飛び込めば俺が必ず助け出す。だから心配するな。」
「飛びこまないよ。」
「あぁ…。結衣、お前の怖さが俺にはわかるんだ。俺も腕の中で結衣の呼吸が止まった時のあの恐怖感は忘れようにも忘れられねぇ。結衣は幸せだったと言ったが俺はそんな気持ち微塵もなかった。あるのは結衣がいなくなっちまうっていう恐怖感だけだ。」
抱きしめる腕の力が強くなったから隼も本当に怖かったんだと思う。
幸せだと思ったなんて言ったのが申し訳なくなった。
「ごめんね隼。そんな思いさせて本当にごめんね。」
抱きしめていた腕をゆるめた隼が私の顔をグッと上にあげて
「結衣、腹くくれ。もう一度今、腹をくくるんだ。」
「え?」
「俺の為に絶対に死なない、死ぬわけにはいかない。俺のために生きる、どんな事があってもだ。俺を守るのは結衣お前なんだよ。」
苦しさや悲しさを絞り出すような隼のバリトン。
それが本当に悲しげで
「隼?死なないよ。隼をおいていけないもん。」
「あぁ。」
「だから隼も絶対に死なないで。怪我もしないで。隼に何かあったらすぐ後を追うからね。隼がいないなんて絶対にイヤだからね。」
「あぁ。結衣の笑顔以外見たくねぇ。」
「隼…」
大切なものを失う恐怖を知ったわたしたちはお互いの為に生きようと改めて思いどちらからともなく唇を合わせた。