【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
「あぁ。あははは。」
ムードも何もないぐらい笑い出した私を組敷くと
「いいか?」
どこまでも優しい隼のバリトン。
そんな優しい隼の願いを聞かない私なわけがない。
「うん。」
頷くと嬉しそうな顔をするから笑いを堪えるのが大変だった。
「どんなに薄い壁でもない方がいい。」
ボソッと呟くから本当に笑いたくて仕方なかった。
だけど、気のせいか、本当にそうなのかわからないけど
いつもよりもっともっと隼を感じた。
「結衣、煽るなって。」
隼にそう言われたって私がどうにか出来るもんじゃない。
「だ…だったら…動かないで…」
「無理。」
アッ…
壁がなくなり自由を得た猿は新しいものを見つけたかのように
いつまでもいつまでも遊び続け
「療養なんだから…。」ってぼやくと
「あぁ…そうだった。」って明け方になって我に返った。