【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀


私は、小さい頃に母が亡くなり昼間はおばあちゃんと2人だった。


友達と遊びに行くとき、なるべく心配かけないように細かく伝え


父から連絡があったときにそれを聞いた父が心配しないように子どもながらに考えて出来るだけ伝えるようにしてきた。


早く帰るときも少し遅くなる時も、


それは父が亡くなるまで同じで


待っている人の気持ちを考えるようなクセがついた。


祖父のようであり、父のような植木さんにはいつも心配をかけてしまうが


それでも出来るだけ心配はかけたくない。


ちゃんと話しを聞いてくれようとしてくださるからちゃんと伝えたい。


隼と喧嘩をして家出をした時もまた同じだった。


出ていく時にいなかったことにホッとしたけれど


それでも、何も言わずにいなくなったらどんなに心配するだろうと思った。


隼には怒っていても植木さんは違う。


それこそ私なりの仁義だ。


送り迎えをするのも、父の笑顔が見たい一心だった。


無事に帰ってきてくれる安心感もあった。


今もその気持ちは変わらず1人で誰にも見送られず誰にも迎えられず生活してきた私には、また楽しみが出来た。


「お帰りなさい。」


そう言える瞬間はホッとできる幸せの時間だ。



< 292 / 490 >

この作品をシェア

pagetop