【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
「今日、ちーちゃんの家に私の湯のみがあった。」
毎日、隼の留守中の出来事を報告するのが日課みたいになっていたので
私は隼に話し始めた。
「ちーちゃん?」
眉間に皺をよせた。
「上条千恵子さん。だから、ちーちゃん。」
「プッ…結衣…お前は俺を殺す気か。」
滅相もない。
若頭を殺すなんてとんでもない。
ましてや私の大好きな人だ。
「ちーちゃんって呼んだら隼が殺されちゃうの?」
慌てると下を向いていた隼が私を抱きしめて
「結衣…笑い死にだ。」
そう言ってゲラゲラと笑い始めた。
この世界のルールがわからないから、何か正しくて何がいけないか、私の考えられる常識とは異なることもある。
だから、いろいろな事におっかなびっくりだったりするわけで
知らない間に隼の身を危険にさらしたわけではなくホッとした。