【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀


「今日、ちーちゃんの家に私の湯のみがあった。」


毎日、隼の留守中の出来事を報告するのが日課みたいになっていたので


私は隼に話し始めた。


「ちーちゃん?」


眉間に皺をよせた。


「上条千恵子さん。だから、ちーちゃん。」


「プッ…結衣…お前は俺を殺す気か。」


滅相もない。


若頭を殺すなんてとんでもない。


ましてや私の大好きな人だ。


「ちーちゃんって呼んだら隼が殺されちゃうの?」


慌てると下を向いていた隼が私を抱きしめて


「結衣…笑い死にだ。」


そう言ってゲラゲラと笑い始めた。


この世界のルールがわからないから、何か正しくて何がいけないか、私の考えられる常識とは異なることもある。


だから、いろいろな事におっかなびっくりだったりするわけで


知らない間に隼の身を危険にさらしたわけではなくホッとした。





< 33 / 490 >

この作品をシェア

pagetop