なんで私が芸能人ッ!?
「スタンバイしたかー?
じゃあ……、よーいっ」
カンッ…………………
カチンコの音と私のスイッチが同時に音を出した。
「私……聞いたのよ。
あんたが中学校の時の話。」
突然恵梨から言われた言葉。
らしくもなく一瞬動揺する自分に舌打ちした。
「………それで?」
「いじめをしまくった挙げ句、自分がいじめられて知り合いのいないこの高校を選んだらしいわね。」
「……………。」
別に、いじめられたからじゃない。
「それなのにまた同じこと始めて……学習しなかったわけ!?」
ここまでは、台本通りのセリフだった。
「学習…って何?
あたしは別にいじめられたからここにいるんじゃない。
ただ………この学校を支配したかっただけ。」
私か無感情で言葉を発すれば、スッと教室の雰囲気が変わる。
それと同時に、台本に忠実だった未夢が解き放たれた。
「なに、それ……。
支配ってバッカじゃないの?」
「そう……?
実際上手く行ってたじゃない。
………あんたが付け上がる前までは。」
「……………っ。」
あたしが発言すると、一瞬がって反論しかけたようなのを何故か止めた恵梨。
それからふと、ため息をついた恵梨の雰囲気も変わったのが感じられた。
「自覚、あるんじゃない。
上手くいってないって事。」
ふっと笑う恵梨。
未夢に感化されて自由になったようだ。
「そうとも言えるけど……。
残念ながら、私にとってこれは悪い結果でもないのよね。」
「……見栄を張るのはもうよしたらどう?」
「見栄かどうかなんて、ほんとはあんたが一番わかってんでしょ?」
「わかってるわよ………見栄だって。」
「そんな覇気の無い声で言われたって、説得力無いけど。」
「結局あんたはバカなの。
あたしには勝てないってこと、そろそろ認めれば?」
にぃっと笑い、恵梨がぞくっと震えたのを見届けてから教室を出た。
「はいカーーーっ!!」