なんで私が芸能人ッ!?
でも……?
「その頃には姉がいるから売れたなんて言えねぇよ………いや、言わせねぇ。」
「なんでそんな簡単に言い切れるんですか?」
「お前には才能があるからだ。」
「才能……?」
才能ってなんの?
私には才能なんて……
「そうだ。」
なんでこんなに期待……いや、確信に満ちた目で見てくるの?
なんで……私なんかを信じてるの?
私には才能なんて、無いのに。
それなのに、なんでこの人の言葉を信じかけてるの?
都合良く勘違いなんかして良いことなんて1つもなかったのに。
芸能界なんて私には無理なんだから、断らなきゃ。
「それでも、私には芸能人なんて無理です。
私には才能なんて無いし、私なんかより才能がある人はたくさんいます。
だから、その人達を探してスカウトしてください。」
そう、私よりすごい人はいっぱいいる。
才能の話だって嘘に決まってるんだ。
どうせ、この人が欲しいのは私じゃない。
………お姉ちゃんの名前だけなんだ。