なんで私が芸能人ッ!?
その後謝罪をしてから始まったりまの演技は言うことなしだった。
台本通りな完璧の演技じゃない。
完璧とは違うけど、それ以上の良さがある演技。
そして急なそれにあわせられる宮崎さんの返しも文句なしで……今はあるいはりまより演技が出来るかもしれない。
まああくまでも、今は。
それに………宮崎さんもりまを成長させる気があるようだからな。
そんな感じで笑みがこぼれたとき、周りがざわざわしていることに気付いた。
どうやらりまが役から抜け切れないようだ。
「おいっ、りま?
………すいません、ちょっと休憩もらって良いですか?
俺がなんとかしますんで。」
俺が行くしかないか、と思って声をかける。
「おお、頼んだ。
よし、じゃー未夢がいないシーン撮ってくぞ。」
「りま、聞こえるか?
俺だ。」
………反応ないか。
じゃあ………
「早く戻んねぇと………キスするぞ?」
「#$%&@┻╂§☆¥★~っっっっっっ!!!!????」
そういって一瞬で赤面したりまに、一番素のりまであることを確信する。
「お、赤くなった。
てことはりまだな。」
「りりりりりりまですよ!!!!」
「嘘だよ、バーカ。」
ほんと面白いよな。
「な、なんで……」
「だからお前口に出てんだよ。」
「う、嘘!!」
「嘘だと思うならそれで良いけど?」
「………………。」
「ん、なんだ?
まさか………キスしてほしかったのか?」
「ち、違いますよ!!!!」
だよなー。
「じゃあ何だよ。
つーかあんまり否定すると図星に見えんぞ。」
そうからかうと一々反応するのが面白いんだけどな。
「…………まあいいや。
お疲れ、りま。」
「良かったぞ。
たぶん、いろんな人がそう思ってる。」
「台本とすごく違うのに……でも良かった。
すごく楽しかったなぁ………。」
満足そうなりまの笑顔。
………が。
「うおっ!?りまっ。」
…………いきなり爆睡しやがった。
「仕方ねーな。」
そういってお姫様抱っこで撮影場所まで連れて行く。