大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
美鈴の言葉に、少しだけ、心が軽くなった気がした。

博さんには、心配かけたくないし。

それから、博さんのご両親に会うまで、私は美鈴の言葉を、

心の中で何度も呪文のように唱えていた。


・・・そして、会う日の当日。

私はいつものように、博さんに笑顔を向ける。

「…博さん、どうしたんですか?」

「心からの笑顔じゃないな」

「・・・え?!」


驚いた顔をした私を見て、博さんは溜息交じりに少しだけ笑った。

「今度は、羽菜が緊張する番だな」

「…ばれてました?」

そう言って笑う。


「いつもと態度が違う事くらい、わかるさ。

この一か月の間だって、ずっと悩んでたんだろ」


「…バレバレですね」

…博さんには気づかれていないと思ってたのに、すべてわかっていたよう。

私の事、ちゃんと見てたんだな。



「大丈夫だ、…ぁ。でも、初対面だと、ちょっと怖いかも、

うちの親父」

「・・・・」

それは聞き捨てならない。
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