大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
もう、諦めるしかないのか、何もかも。

…私は抵抗を辞めた。

そのうち、つぅっと、一筋の涙が流れた。

でも、男たちはそれに気づかない。


「嫌がってんだから、離せ、バカ」

そんな声が聞こえたと同時に、私の肩を掴んでいた男が振り返った。

頭に来たのか、殴りかかろうとする。


「おっさんが、なにほざいてる?」

そう言って殴りかかったが、倒れたのは、相手ではなく、

私を連れて行こうとした男だった。


呆気にとられてる私をよそに、他の男たちも、殴りかかる。

・・・が、勝ったのは、私を助けてくれた人だった。

潤んでいる瞳のせいで、助けてくれた人の顔はよく見えない。


「大丈夫?…ケガない?」

そんな優しい声をかけてくれたその人。

私はそっと顔を上げ、お礼を言った。



「ありがとう・・・ヒロサン?」

私は目をパチクリさせた。

驚いて、涙なんて止まっていた。


…私を助けてくれたのは、スーツ姿の、博さんだった。
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