大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
私は、ニコッと微笑み、何でもない顔をした。

・・・別に、変な別れ方をしたわけじゃない。

お互い、仕事が忙しくて、自然消滅した洋二との恋。

未練もなかったくらいだから、想いも大した相手ではなかった。


…私と博さんが、仲良さそうに話しているのを見た洋二が、

私たちに声をかけた。


「…全く接点とかなかそうですけど、2人の関係は?」

その答えを、私の口から言おうとしたが、博さんに先を越された。

…私の腕をグッと引っ張った博さんは、自分の方に引き寄せ、

ニコッと笑い…。


「羽菜はオレの彼女だから、手は出さないでくださいよ、

現場監督」

その言葉が嬉しいながら驚き、博さんを見上げた。

すると博さんは、いつものような優しい笑みを浮かべた。


「…大丈夫ですよ、人のモノなんて奪う趣味はありませんから」

そう言った洋二は最後にまた仕事の話をすると、工務店に帰っていった。


「…あの、それ食べて、また仕事頑張ってくださいね」

なんだか、今の空気に耐えられなくて、そう言って逃げようとする。

・・・が、博さんは、私の腕を掴んだまま離そうとしなかった。


「…あんなイケメンが、元カレだったんだ」

「…何年も前の話しです」
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