恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
興奮して、肩で呼吸を繰り返す美影。


「ご、ごめん」


あたしはなぜだかすごく申し訳ない気分になり、床に膝をついて美影と同じ視線になった。


妖精って、現実離れした存在だから、特別なものなんだと思っていた。


物語みたいに羽がはえたり、魔法が使えたり。


でも、美影たちは違う。


人間の触れるものに魂が宿っただけの、存在なんだ。


すごく小さくて、無力で、自分の力ではどうにもならないことがあふれていて……。


それでも、4人は前向きに、弱音なんか吐かずに、まっすぐに前を見ている。
< 160 / 428 >

この作品をシェア

pagetop