鳥籠の死神
死神が唱えたのは、他の力を自分のものにし、自分が望む力に変えるというもの。



死神が持つ唯一の力。



鳥籠を壊す事も、人間を滅ぼす事も、死神は願いませんでした。死神にとっては、どんな愚かな人間も愛すべき存在だからです。



「……哀しいな」



死神はぽつりと呟きました。



死神が願ったのは――己の消失。







最初から死神というものが存在しない世界。



これが死神の願い。



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