ラブソングは舞台の上で

開演2分前。

客席は満員御礼。

私たち6人は、円陣を組む。

指揮を執るのは、座長の晴海だ。

「これで、最後です。みなさん今まで、本当にお世話になりました」

いつもふざけている晴海の真剣な声に、早くもウルッときてしまう。

「じゃあ今日も、思いっきり楽しみましょう!」

晴海が声を張ったタイミングで、みんな気合いと賛同の声を出す。

各々ハイタッチをした後、それぞれの持ち場に着いた。

今日は詩帆さんや翔平をはじめ、会社の人もたくさん見に来てくれている。

さあ、ラストステージの始まりだ。

音楽が流れ、前説が始まる。

客席からは笑いが聞こえてくる。

ポンポンと誰かに肩を叩かれた。

タカさんだ。

「どうしたんですか?」

「明日香ちゃん、ちょっと」

手招きをされ、誘われるまま袖の奥へと連れられる。

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